保育園看護師の必要性を感じて転職したCさん
小児外科や青年海外協力隊など様々な場所で経験を積んだことで、保育園に看護師を配置する必要性を強く感じ保育園看護師として働くことを選びました。
Cさんが保育園看護師を選んだ理由
青年海外協力隊の任務を終えたCさんは帰国してすぐに仕事探しをはじめました。現在は区の看護師職員として、区立保育園で働いています。青年海外協力隊に参加するまでは「海外で自分にできることをしたい」と思っていたCさんですが、実際に世界を見たことで日本でもできることはたくさんあると気付き、「暮らしている地域で子どもたちの健康に密接に関わってみたい」という想いから、保育園看護師を選びました。
Cさんの仕事は子どもたちの登園後、各クラスを回って健康状態をチェックすることからはじまります。その後、0歳児クラスでミルクを作ったり、お昼になれば離乳食やご飯の食べ具合を保育士さんたちと一緒に確認したりします。また、熱が出た子どもやケガをした子どもがいたらその都度様子を診たり、病院の受診に付き添ったりもします。病院の忙しさとは違いますがやることが山のようにあるので、1日はあっという間に過ぎていきます。
看護師は自分だけ
Cさんの働いている保育園では看護師はCさん1人だけです。同僚の看護師や医師はいないので他の人に助けてもらうことはできません。自分が気付かなかったり、対処が遅かったりすると取り返しがつかない事態になる可能性もあるので大変です。常にそういった緊張とプレッシャーを感じながら働いているので、責任感の強い人でなければ保育園看護師はできないと考えています。
保育士の訓練も仕事のひとつ
Cさんが担当した患者の中には10代で亡くなった子どもや生まれてすぐに亡くなってしまった子どももいました。そのような経験を経たからこそ、毎日元気で遊べることがどれだけありがたいことなのかをよく理解し、子どもたちの健康を守ることを重く受け止めています。病気やケガはいつ起こるか分かりません。注意していても食物アレルギーの子どもが誤飲してしまう可能性はゼロではありませんし、感染症や乳幼児突然死症候群になる可能性もあります。そのため、Cさんは保育園全体で子どもたちの健康を守っていくために、保育士にも注意すべきことなどを伝え、いざという時にすぐに対処できるようにしています。
未来を担う子どもたちの健康を守る仕事
保育園看護師は新しい分野のため、専門性に気付いている人はまだそれほど多くありません。看護師は病院で働くのが当たり前だと思っている人も多く、医療処置が少ない保育園での仕事は軽視されることもありますが、生きるために必要な力は小さいうちから培っていかなければなりません。そのサポートができる保育園看護師専門性が高く素晴らしい仕事です。これからの未来を担う子どもたちの健康に携われることを誇りに思いながら、仕事に取り組んでいます。