保育園看護師としてのやりがいを感じているBさん
保育園看護師の仕事は子どもたちの健康管理はもちろんですが、一緒に遊びながら子どもたちの心身の健康をサポートすることだと考えているBさんの声を紹介します。
Bさんが保育園看護師を選んだ理由
小さい頃から年の離れたいとこの面倒を見ていたBさんは子どもの面倒を見るのが当たり前の環境で育ちました。Bさんの両親も医療従事者だったため、看護師になることに何の疑問も持っていなかったそうです。看護学校での実習を通して、小児科や産科など子どもと関わる機会が多い科に魅力を感じていたため、看護師になった当初は小児科で働いていました。しかし、小児科は楽しいことばかりではありませんでした。病気やケガ、重い障害を抱えた子どもと接するうちに、つらいと感じることも多くなったのです。注射を嫌がって泣く子どもから嫌われることも多かったため、子どもが好きで職場を選んでいたBさんはその状況にジレンマを抱えていました。
より親身に子どもと接する職場で働きたいと思ったBさんは保育園看護師の道に転職することに決めました。看護師を採用する保育園はまだ少なかったため転職活動は順調とはいえませんでしたが、近所の保育園で看護師を募集しているのを見つけ、すぐに応募しました。
保育園では病院のように子どもたちに泣かれたり嫌われたりすることはほとんどありません。にこにこと笑いながら慕ってくれるので、Bさんは毎日楽しく仕事ができているそうです。
まだマニュアルが定まっていない
保育園看護師は制度ができてからまだ日が浅いため「看護師を配置してはいるものの、仕事の進め方やマニュアルがまだ定まっていない」という保育園も少なくありません。そのため、保育園看護師は自分から積極的に保育園に働きかけて、業務内容や看護師を生かせる保育園の体制を作っていかなければなりません。
Bさん自身も「保育園で働く看護師」の役割を果たすために、積極的に勉強会を開いたり、保育園の体制改善を提案しています。Bさんが行っている勉強会では毎月テーマを掲げて、それを保育園で働いている職員みんなで学び、共有しています。例えば、気温が高くなる6月は下痢や嘔吐についての勉強会を開催し、看護師目線で気付いたことを保育園全体に共有するようにしました。保育園は子どもたちが集団で過ごしている場所なので病気が感染しやすい状況です。健康な子どもたちに感染しないように処置することが安全な保育につながるため、適切な対処法を教え、共有しているのです。
また、看護師だけではなく保育士も対応できるように体調を崩した子どもへの接し方や病後児保育での対応に関する分かりやすい資料を作成するなどして、保育園全体が一丸となって安全な保育ができるように取り組んでいます。
マニュアルがなく業務内容が定まっていないという難しさはありますが、自分で仕事を開拓することにBさんはやりがいを感じています。